splus okinawa diving service

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10月終盤の沖縄は、大型の台風接近により不安定な天候の一日となりました。

今日は古宇利島エモンズでのファンダイビングに行って来ました。風はややありましたが、何とか入ることが出来ました。

1945年4月、太平洋戦争末期の激戦地沖縄に参加した全長106mの巨大な駆逐艦USS EMMONS(エモンズ)は、沖縄本島周辺の機雷除去任務のため沖縄に向かったところ、新田原陸軍飛行場から出撃した日本軍の大規模な攻撃を受けました。九八式直接協同偵察機5機によってほぼ同時に特攻を受け、うち1機が三番砲塔の喫水線付近に突入して弾薬庫を誘爆させ大爆発を起こし、自走不能となりました。敵の手に渡ることを避けるため海没処分とされました。この戦闘でエモンズの乗組員60名が戦死し77名が負傷、特攻した日本軍の乗組員も戦死したと伝えられています。

79年間もの間、沖縄県今帰仁村古宇利島沖合の海底45mに眠る巨大な船体。過去に日米が戦った戦跡が同時に見られる場所で、世界的にも稀で貴重なダイビングポイントです。

エモンズファンダイビングは、その大きな船体を船首側と船尾側を2ダイブに分けて潜ります。

エモンズは船体右舷側を下に鎮座しており、船首左舷側の大きな錨は原形をとどめています。

船首部の大きな穴は処分時に「艦番号を見えなくするため」に米海軍僚艦の砲撃によって破壊されたものです。この穴が徐々に大きく崩れてきています。

錨(錨鎖)をコントロールするブレーキハンドルやウィンチもそのまま綺麗に残っています。

船首部甲板には、1、2番砲塔の5インチ砲はその威容をとどめています。

Mk.37砲射撃指揮装置は発見当時ははっきりと形状が保たれていましたが、今は朽ちて崩れている姿が確認出来ます。

20mm対空機関銃はその原形をとどめています。エモンズには6機表装されており、そのうち数機は残っています。

船体中央部には慰霊のプレートが取り付けられています。

船舶の航海計器にひとつでもある羅針盤は状態の良いまま見ることが出来ました。

その付近にはテレグラフが原形をとどめています。一般の方にはあまり知られていませんが、これは船橋から機関室へ、エンジンの出力調整・停止の指示を伝えるための装置で、機関室にも同様のものが備え付けられているのです。現在の船舶は形は違いますが、「映画タイタニック」でもテレグラフが使用されているのが見られます。

九八式直接協同偵察機のものとみられる脚柱があります。これも綺麗に残っているのが分かります。

甲板上にあった40mm機関砲は台座ごと崩れ落ち機関砲の先端が海底に埋もれています。

水深45mに九八式直接協同偵察機のものとみられるエンジンがあります。直径はだいたい1m50cm程度と思われます。

オロペサ型係維掃海具もそのままの形で見ることが出来ます。基本的な発想はトロール漁具から導入されており、艦からワイヤーで曳航する掃海具です。

ラダー(舵)は船体から数十メートルも離れた場所にあります。その大きさも圧巻です。

掃海具(パラペーン)は船室の壁に立て並べて収納されている姿はそのままです。

攻撃を受けた後部側は、甲板がめくれ変形したスクリュー等がかろうじて船体に取り付いています。

海底には米軍のヘルメットが形を保ったままいくつも残っています。

深場での限られた時間は本当に貴重なものです。エモンズでのレックダイビングを通じて多くの方々にこの姿を知ってもらい、戦争の悲劇を今に伝えなければなりません。エモンズは海底に残された当時の乗組員兵士の墓標なのです。歴史から現在の平和に感謝して、この貴重な海底戦跡を未来へ長く残していきたいと思います。

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